「こ―…こは?」



ボーッと天井のようなものを見つめる

どうやら僕は仰向けに倒れているらしい


意識がハッキリしない中、なんとか身体を起き上がらせようとする


たしか…扉をくぐって…
それから…それから―?



「んぁあ?
気がついたようじゃのぅ。」


「!!!???」


何者かに顔を覗き込まれ、人がいないと思っていたのに予想外のことで飛びのいてしまう


「ほっほっほ!
元気がよいのぅ、それなら体調も大丈夫そうじゃ。」


愉快そうに笑っているが、その顔はピエロのようなお面に隠されていて表情は伺えない


男…?
女…?

身長はそれほど高くなく、声は高い

年齢は若そうに見える
20歳くらいだろうか…

だけど格好からして男?
いや…声からして女?

そんなことを考えていると、そいつが再び口を開いた


「無性じゃ。」


「…え?」