「きゃー!!!
漣様ー!!!」
「静かにね。」
「馨様、本日も麗しゅうございます。」
「ありがとう。」
パーティーはこれだから嫌なんだ
五月蝿いし、五月蝿いし、五月蝿い
僕が養子に貰われた天王寺家は所謂金持ちで、義父は大企業を経営している社長だった
だからパーティーに出席すると、汚い私欲に満ちた大人どもは我こそはと金目当てに自分の娘を僕たちに近づけさせる
残念ながら僕はこの家の血筋じゃないし、だからもし義父がなくなったとしても遺産なんて一銭も僕には入ってくるはずはないのに馬鹿みたいだ
顔目当てで近づいてくる女もいるが、それのほうがよっぽどまし
正直不躾な態度をして義父に恥をかかせてやりたい気持ちもあるが、あまりに子供っぽいので僕のプライドがそれを許さなかった