「突発性難聴ですね。」


「………はい?」

たった今、医師から病名を言われた倉橋繭こと、私。

耳に違和感を覚えて病院にやってきたものの、言われたのは
ピン!
とこない病名。


「突発性…??」


「突発性難聴。
ストレスなどからくるものですね。心当たりありますか?」


「……あります。」

私はつい最近、お気に入りのお菓子を全部弟に食べられたことを思い出す。


あんにゃろう…。


「あ、あとあなた何部ですか?運動部?」


「はい。バスケ部ですけど…」


「体育の授業は今どんなことを?」


「えっと…ハードル走です。」