朝、私がガッコーに行こうとしたら、目の前を啓太のヤツが歩いていた。

・・・バイクどうしたんだろう。

そう思ってはっとした。

いいじゃん!そんなこと!!

後姿見るだけで、むかっ腹立ってくる。


スンゴイ勢いで私はヤツの隣りを駆け抜けた。

「おい!つぐみ!!」

無視無視。

「待てってば!」

無視無視無視。

「オレが呼んでんだろう!!」

無視無視無視無視。

「少しはオレの話も聞けよ!」


・・・・加速装置!!


「あんにゃろ!元野球部の俊足をなめんなよ」

私達は校門までバス停4駅を全速力で駆け抜けた。

つぐみ「はぁ、はぁ、はぁ・・・。な、・・・なん・・・で、お・・・いかけて、はぁ、はぁ、くんのよ!!!」

啓太「し、っしっかた、はぁ・・・はぁ・・・ない、っだ、はぁろぉ!!」

(解説)

つぐみ「なんで追い駆けてくんのよ!」

啓太「仕方ないだろう!」

(以上)

「言いたいことがあるならはっきり言いなさいよ!」

私はチョップの形を作って身構えた。

「分かったよ。言うから、お前も聞けよ」

「おう!」

「・・・・・・・じゃなくて」

「だからなん何なのよ」

啓太は、今まで見た中で最も最悪のブッスイ顔をして言った。

「はぁ~。ったく!何を血迷ってこんなオンナ好きになっちまったんだろう・・・」