「おい!葉っぱ!!」


多摩川の土手をこそこそ帰っていると、啓太が私の頭にバッグを投げつけて言った。

「大丈夫かよ!?舞台から落ちた時、足くじいたんじゃねぇの?」

「葉っぱは今、ヒジョーに落ち込んでるんです!そっとしといて!」


・・・カワイゲのない葉っぱだ。


可愛い女の子なら、目をキラキラさせて、きっとこう言う・・・。


「啓太君、心配してくれて有り難う!」


この一言が言えるか言えないかが、カノジョになれるかなれないかの分かれ目だな、きっと。


(・・・それ以外にも要因はあると思うけど)



啓太は「ん!」と言って顎をしゃくるとバイクの後ろを指差して、「のっけてやるから乗れ!」と命令した。