その啓太が今年の文化祭で、クラスを代表して王子様役に選ばれた。

さらさらの髪の毛で、綺麗な白い歯で爽やかに笑うだけで、絵になるのが理由らしい。



クラスの女子全員の一致で決まった。




で、私はその啓太が乗る馬。



……じゃなくて、その馬に蹴っ飛ばされる葉っぱ役だ。


本番当日。


少しでも存在をアピールしようと思って、葉っぱなりに考えて、跳ねた。

角度45度で、ビューンと飛んで魅せた。



・・・ウケタ。


いつも私はこんな風に脇役。


啓太が華々しく舞台の中央で脚光を浴びている間も、せっせとなんとか光のオコボレに預かりたくて、ピョンピョン跳んでいるんだ。



王子様役ばかりの啓太には分っかんないだろうなぁ~。




でもいつかは……


いつかは、主人公になって、啓太とラブラブになれたら幸せなんだけど。





っつーか、それ以前に、あいつ、彼女いるけど・・・。





願わくば、セカンドじゃなくて、トビキリの本命になりたいな、とか思ったりする。