啓太は深~~~い溜息を吐くと、遅刻切符をヒラヒラさせながら言った。

「つぐみ。まぁ、まずは気長に友達から始めよう・・・」

「え?!既に友達じゃん!?」

「え?!じゃ、じゃぁ、とりあえず俺に恋してみよっか?」

「え?!……恋してんだけど」

「え?!誰に?」


私はそろりと人差し指で目の前のドンカン野郎を指差した。


「オ、オレ?!」

「オレ!」

「なんで、それを早く言わねぇーんだよ!」

「いや、先に今、言われたし・・・」

啓太はサイコーに間抜けな顔して、相好を崩しながら、

「うわぁ~、まじぃ・・・・・・?すんげー嬉しい・・・・・・いつから??」と、ニヘラけた。

「ずーーーーーーーーーーーっと、前から。……あんたがカノジョと付き合う前から」

私は唇を尖らすと、ボソボソと告白した。


次の瞬間、めちゃくちゃ盛り上った啓太はめちゃ素早く頭を傾けると顔を近づけて、キスをしようとした。

私は、両手でとっさにヤツの唇を押さえつけた。

「何だよ・・・。この手ゎぁ?」

「いや、何となく・・・・・・」

「キスさせろよ!」

「じゃ、もっと、盛り上げろよ!私は……私は……ファーストキスなんだぞっっ!!」


言うと同時に、私は啓太の左頬に大きな平手パンチを喰らわした。