――1時間後。



「よし、着いたぞ。行こうか」



戸田さんはエンジンを切ると、あたしを見た。



「うんっ、行こっ!!」



あたしがそう返すと、戸田さんは車から降り、助手席のドアを開けてくれた。



「ありがとっ♪」



あたしは笑顔で戸田さんにお礼を言った。



「どういたしまして。」



戸田さんはあたしに微笑みかけた。



駐車場を出て、入場券を買うために受付に行った。



「えっと…大人1人、1500円だな」


あたしは戸田さんの声に鞄から財布を取り出し、お金を払おうとしたら…



「ありがとうございます。大人お2人様で3000円、丁度頂きます」



えっ!?
受付の人の言葉に耳を疑った。



「行くぞ、水樹」



戸田さんに肩を抱かれ、水族館の中に入った。



「と、戸田さん!!入場料くらい、あたし自分で払うよ!?」



別にお金に困ってるわけじゃないし……



仕事上、給料はそれなりに貰ってるし…



そんなあたしに戸田さんは、はーっと溜め息を吐いた。