『狼男と吸血鬼が相容れないなんてのは、人間が勝手に作り出した幻想だ』


ウルフは金色と銀色の瞳で、ジッと私を覗き込みそう呟いた。


「そうなの?」


私には、信じられない事だらけだった。自分が吸血鬼だという事も、まだ信じられない……。


『おまえは吸血鬼の貴族の娘、いや王族の娘なんだ。なのに間違えて人間に拾われて捨てられた。おまえの親は、ちゃんといるし、おまえの事を探している』


びっくりしたけど、嬉しかった。涙がポロポロこぼれてきた。


優しくウルフが涙を舐めてくれた。