「あれが聞こえないのか?
 ここは、悪霊の巣窟なんだ……」

あれ、この声、どっかで聞いたケド、誰だっけ……

ァタシは、セッパ詰まった相手の声をぼぉっと聞いてる。

暗くて辺りがよく見えない。

「しっかりしてください!
 何も聞こえませんヨ!!!」

これ、ァタシの声?

何テンパってんだろ。

――そうだ、ァタシは洞窟の中に入って……

不意に暗がりで見えるハズのないキレイな輪郭が浮かびあがる。

その瞳は、青い……。

ァタシは、懐かしく、心地よいその瞳に吸い込まれそうになる。