「ティナ」



窓の外を見つめていてレオンが入ってきたことに気づかなかったティナは肩をビクッと震わせた。



振り向くと潤んだ瞳を向けるティナ。



「あの娘の裏にいる人物が知りたいだけだ わかるまで地下牢へ入ってもらうが、解決すれば記憶を消して両親の元へ返すことを誓う」



「本当に?本当にそうしてくれる?」



「お前に嘘をついたことはないだろう?」



ティナはコクッと頷いた。



レオンの腕の中に納まったティナは胸に頭を付けた。




【レオン様、娘が急に苦しがりはじめました】



アメリアからの念にレオンはティナの髪をゆっくり梳いていた手を止めた。



【すぐに行く】



「ティナ、少し執務をしてから行くから、先に寝ているんだ」



「はい」



何の疑いもないティナはにっこり笑みを浮かべてレオンを部屋から送り出した。