「そ、そうだったんですか、ごめんなさい てっきり、このお屋敷のお嬢様かと」



無礼な言い方は自分とほとんど年が変わらないように見えるせいという事らしい。



「それでも貴方はティナ様に助けられたのです お礼を言うべきです」



「ぁ……ごめんなさい 本当に助けてくれてありがとうございました」



娘はアメリアの厳しい表情を見てすぐ言った。



「アメリア……そんなこといいのよ それよりお名前は?」



手厳しいアメリアを見て小さくため息をついてから、娘に空色の瞳を向けた。



「私は……思い出せません」



「アメリアっ!大変だわ!思い出せないって」



ティナの言葉に、アメリアの鋭い視線が娘に向いた。



「きっとじきに思い出します ティナ様、もうそろそろご主人様がお戻りになられますよ」



「ぁ……」



ティナもレオンが戻った気配を感じて頷いた。



「また後で来ます ゆっくり休んでいてくださいね」