「え…?出掛けた?」

苓那ん家に着いたのは、約一時間後。

一時間前に出掛けたとおばさんに言われた。


「おばさん、どこに?」

「さあ…。今日は帰ってこないんじゃないかしら。ごめんなさいね、颯ちゃん」


「…ありがとう」



とりあえず家に帰り、荷物を置く。

…落ち着いて考えろ…。


苓那の行きそうな場所を…。



頭を悩ませていると、突然、携帯電話が鳴り始め、ディスプレイには"夕張"と表示されていた。