「で、俺に口止めをしに来たわけだ?」


昼休み、空き教室に成瀬くんを呼び出し、手を合わせてお願いをする。



「ダメかな?」


「振られたこと?それとも俺に怪我させたこと?」


机に座る成瀬くんは意地悪な笑みを浮かべて私を見下す。



そうだ、私、振られたんだ…。


すっかり忘れてた。



「…両方?」


「嫌、って言ったら?」


「なっ!!…そ、そしたら、成瀬くんの性格が皆の前では違うって言ってやる!」


「はっ、性格が違うってなんのこと?」


鼻で笑いやがった!