「遅い…」


「ご、ごめんなさい…」


軽く睨まれ、私は小さく縮こまった。



「荷物、持って」


「あ、うん」


学校鞄を受け取り歩き出す。


空は青く雲ひとつない。



「あ、あの足…大丈夫ですか?」


松葉杖をついて隣を歩く彼に目を向ける。


「…大丈夫じゃないから、松葉杖ついてんだよ」


呆れたように言われる。



「そう、ですよね…」


はぁ〜…と小さく溜め息をつく。



事の発端は昨日の放課後。