学校に着いた。



「おはよう、ミナミ」


「杏里ー、おはよう。もう、昨日めちゃくちゃ心配したんだからね。電話にも出ないし、メールしても返信こないしさぁ」



抱きついてくるミナミ。



「ごめんね、ありがとう」

「幸田のヤロウに何か言われたんでしょ?……平気?」



ミナミにはリョウとのことをすべて話している。


だから幸田が言った言葉で私がすごく傷ついたのではないかと、すごく心配してくれた。



「もう、大丈夫だよ」

「そっか。良かった。ホントに、杏里のいない学校生活なんてつまんないんだもーん」



なんて言ってくれる。


私はその言葉に感動した。









「都谷……」


ミナミとたわむれていると、背後から幸田の声がした。


「なに?」

「ごめん」



振り向くと、幸田が深く頭を下げていた。



「昨日は、ホンっトに悪かった」



幸田が謝ってくるなんてめったにないことだから、正直驚いた。