「んーっ・・・」



目を覚ますと
そこは真っ白な世界だった。



「ここどこ?」


『やっと目覚めましたか?』

声だけがどこからともなく聞こえてきた

「誰?どこにいるの?」


『私は死神。
あなたの横にいますよ。』


横をみると小さな悪魔が立っていた


「しっ・・死神?」



『はい、そうです。
ちなみにここは天国と地獄の
中間地点の場所になります。』


「ちょっと待ってよ、あたし死んだの・・・?」


『正確には人間界で危篤状態になってるようです。』


「なっ、なんで・・・?」


『あなたは何も覚えてないのですか?』

呆れた顔をする死神。



「全く思い出せない・・・。」



『何故死んだか本人がわからないと
私達死神は天国にも地獄にも連れて逝けないんですが・・・。』


「じゃあ私が思い出すまで
このままなの?」



『そーゆうことになります。』



「そんなの絶対に嫌!
どーにかしてよ死神さん」




『死神さんって呼ばれ方あまり好きじゃありません。』



「ならなんて呼べばいいの?」

『デルって呼んで頂きたい。』

「デ・・デル、どーにかしてよ」


『私も今悩んでるんです。
あなたが思い出すまで
私もここにいなければならないですから。』




「なんでデルもいないとダメなの?」



『はい、私はあなたの担当の死神ですから。
あなたの魂を天国または地獄へ導く役目があるわけです。』





「そうなんだ・・・。」



『少しも思い出せないですか?』



「うん、全く思い出せない・・・

でも人間界に戻ったら思い出せるかも・・・」



『残念ながら死界の掟により人間界に戻すことはできません。』



「じゃあどーするの?」





『ちょっと待っていて下さい。』


そう言うとデルは姿を消した。