その後は、まるでシンデレラにでもなったような心境だった。

高級洋服店でなぜか採寸され、高そうな洋服に着せ替えられ、(実は下着もシルクのを着けさせられたんだけど)、髪をセットしてもらい、メイクもしてもらい、鏡に映った私は別人のようだった。


食事は都心の高級ホテル内のレストランでご馳走になった。
そこは、ジーパン姿で入れるような場所ではなく、大丈夫と思った亮介さんの神経を疑ってしまう。


帰りのタクシーの中、レストランで飲んだワインの酔いも手伝い、私は夢を見ているかのようにボーッとしていた。

次の角を右に曲がれば、もうアパートに着いちゃうんだなあ、と思っていたら、「そこの角を左に曲がってください」と亮介さんが運転手さんへ告げた。