えっと…何?

何って言うか、誰?


思わずそう考えてしまうほど、あたしたちの目の前に現れたのは不思議なモノ。


「聞こえておるだろう?返事ぐらいしたらどうじゃ」


「…いや…つーかいきなり現れて誰だてめぇ」


あ、誰って訊き方が正しいんだ…じゃなくて!


「エエエエル!何!?これ!」


あたしが指差すと、もじゃもじゃの白髪の(たぶん) 人が、同じくもじゃもじゃの眉をひそめた。


「娘!これとは何じゃ失礼なッ!」


だって、だって―――…


「こんな小さい人間見たことないもんっ!」


大きな岩に乗っている、携帯サイズの小さな人。


こんなに小さい人間が、動いて喋ってるとこなんか見たことない。


「リオ。この人はたぶん、小人族だよ」


「こ…こびと?」


「そうじゃ!わしは小人族の長老、タフィじゃ!」


エッヘン、と胸を張る長老を、あたしはじっと見つめる。