「え!?仕事!?飲み会!?」

ほんとーにごめん、と土下座の勢いで私に頭を下げる海を呆然と見つめる事しかできなかった。
二人が迎える初めてのビッグイベントを一週間後に控えたある日の事。凄く気まずげな海が口にした言葉はクリスマスイブに仕事が入った上に先輩主催の飲み会に強制参加させられるというあまりに残酷なものだった。

ぶうっ…とむくれそうになる頬を慌てて萎める。これも大人の事情ってやつだ!!

「わかった。あんまり飲みすぎちゃダメだよ?」

笑った顔が情けなかったのは許して欲しい。

「…っ。ごめん。」

しょんぼり肩を落とす海の頬に笑ってキスする。海もクリスマスを楽しみにしてくれていたのだと分かれば少しは気も楽になった。

やっと表情をくずした海から甘い甘いキスが降ってくる。

それを受け止めながらシクシク泣く自分の心を叱咤した。