昼休みが始まって早々。

教室内の一角で。

こんな真剣にジャンケンをしている人間がいるなんて。

誰も思わないだろう。





「…さーいしょーはグー、ジャンケン…」

「「…ポンッ!!」」





目の前にある2つの手は。

黒沢と私。

どちらの勝利を示しているのか…?





「やたっ!!私の勝ち!!」

「…しゃーねぇなぁ」





さっきより声のトーンが上がった私と。

めんどくさそうに立ち上がる黒沢。





そうです、やりました!!

この勝負。

私が勝たせて頂きましたー!!





「…で?何飲むの?」

「アイスティーで」

「了解。じゃ、買ってから中庭行くわ」

「あーい」





そう言って教室を出ていく黒沢の背中を見送ると。

私は“ニンマリ”と笑みを浮かべた。