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【完】龍 火 ―リュウビ Ⅱ―

―Chapter 2―
電話






『…よくあたしに電話しようと思ったね、りっちゃん』

『菜月さん…』



神楽には家に着いたというメールをすれば済む話だった。


りっちゃんの文字を見て躊躇ったのも事実だけど、逃げようとは思わなかった。



『菜月さん記憶無かったし、…あの時確かに震えながら困惑してたの見てました』

『何が言いたいの』

『……俺を迎えに来てくれたあの海に来てください。菜月さんが来るまでずっと待ってます』

『行かないよ。…絶対に行かない』

『待ってます。雨が降っても雷が鳴っても、菜月さんが来るまでずっと』

『ちょっ…りっちゃん!!!』



楽になろうとしていたの。

…何の迷いも無く朱雀に戻ることを、ただ望んでいたの。



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