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【完】龍 火 ―リュウビ Ⅱ―

―Chapter 1―
言葉






「菜月様の御宅にお邪魔するのもお久しぶりですね」

「…あたし、神楽じゃなくてヒバリが来ると思ってたんだ…。神楽は送ることしかしないから」

「完全に朱雀の記憶が戻ったようですね。お父様のことや過去のことは…」

「…ううん。全然」

「左様でございますか。失礼致しました」



蓮が帰って十分近く経った頃、チャイムを鳴らしたのは神楽ではなくヒバリだった。

…昔からそうだった。迎えはヒバリ、帰りは神楽。


朱雀のことを思い出したのは良いけど、やっぱり過去のことは思い出せないでいる。

…けど今はそんなこと、気にしていられなかった。



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