-美憂side-
「大ちゃんおはよーっ」
「朝からテンション高ぇな…」
勢いよく言うと、大ちゃんは呆れた顔をした。
「えー…だって学校久しぶりじゃん。柚ちゃんに会うのも久しぶりだし」
今日から新学期がスタートする。
大ちゃんに会うのも約1週間ぶりぐらいだから嬉しいし!
テンションが高くなるのも無理はないでしょ!
「あれ、今日バイクは?」
「傷が完治するまで乗るなって言われた。」
「誰に?」
「親父。」
そう言うと、あたしの手を掴んで歩き出した。
「バイクが良かった?」
「んーん、あたし歩きの方が好きだから。」
「ならいいけど。」
大ちゃんの方を見ると、眠たそうに欠伸をしている。そんな中。あたしは大ちゃんの耳に注目してしまった。
「あ……」
「何だよ。」
「大ちゃんピアスつけてる!」
大ちゃんの左側にいるあたしから、ちょうど左耳が見えた。