「健、ちゃん……」


健ちゃんが狂羅のメンバーだから。

違和感の正体はこれだ。

そうなれば話は全部辻褄が合う。


綾香にあたしが通ってる学校を教えたのも、大ちゃんと同じクラスだって教えたのも、健ちゃん。

あたしの家を教えたのも、写真を撮ったのも健ちゃん。


「彼氏、大変そうだねー。」

冷たい笑みをあたしに向けた。

「何しにきたの…っ」

最初から健ちゃんが考えてたことだったんだ。


「元カレに向かってひでぇな。」

「そうね。」

扉の後ろから、女の人が出てきた。


「綾香…!」

「美憂、あたしが真白を動かしてたって、気がつかなかったー?」

綾香が真白を動かしてた…?

じゃあ真白と綾香は付き合ってないってこと?


「ぜーんぶ俺の思い通り。いやー、真白があんなに上手く動いてくれるとはなー…」

あぁ、そうか。

綾香と健ちゃんが付き合ってるってことだ。

真白が綾香に好意を抱いていることを利用して……真白が動かせれば、狂羅全体を動かせるのと同じ事。