-美憂side-


「ん………」

「美憂!」

「…………?」

誰…?

目の前が霞んで、あたしの名前を呼ぶ人の顔が見えない。


「良かった…」

そう言って、頭を撫でられた。

あぁ、分かった。

「………大、ちゃん…?」

大ちゃんだよね?


「おう、……ごめんな…」

「何で、謝ってるの…?」

「え…?」

「悪いの、は……あたしだよ…」

ちゃんと話を聞かずに勘違いしてたのはあたしの方。

「ごめんなさい……」

「いいって、俺も悪かった。つーか俺が謝ってんのはそのことじゃねぇよ。」

「何…?」

大ちゃんあたしが怒るようなことしたっけ?


「俺のせいであんな目に合わせて……熱あんのに…」

「大丈夫だよ…」

大したことじゃないし、助けてくれたのが大ちゃんだって、あたし知ってるんだから…

「ありがと…」

「?…まだ熱あんだから、寝とけ。」

「ん……」