【美紅Ｓａｉｄ】

「はぁ～暇です」

私は窓辺に肘を突きながら空を眺めていた。

「美紅(みく)～!!」

と、其処へ、叫びながら全力失踪と言っても良いほど凄い勢いで走って来る人がいた。
其の人は美紅と同じクラスなのだが、何故か全力失踪。
其のおかげで美紅に走って向かってくる女の子の回りは机がバラバラ、と言うか、全部倒れている。

回りの人たちはもう慣れたのか自分の机を溜息をつきながら、直していた。
しかし、美紅と言われた少女は全力疾走で走ってくる女の子に気付かないのか、

「暇です～」

と、言った直後、

―――･･ドンッ。

走っていた少女が其の勢いのまま、美紅につっこんだ。


「へ!?」

美紅と呼ばれていた少女は当然其の衝撃に絶えられず窓から落ちそうになったが、

―――･･パシッ。

美紅と言いながら叫んでいた少女が間一髪のところで少女の腕を引っ張ったのだ。

「はぁ～、死ぬかと想いました･･･。もう!今度からは気をつけてくださいね紗奈(さな)ちゃん!」
「はい、今度から気をつけます!ってか、美紅無しでは生きていけないー!!」

紗奈と呼ばれた少女は本当に申し訳なさそうな顔をした後、抱きついてきた。

「ほへ!?急に抱きつかないでくださいよ」

と、抱きつかれた美紅は驚きながらも笑顔だ。