(それにしても、安城の好きな相手って、俺だったのか……)


俺はずっと、ユキだと思ってた。


「どうしたの? 苑塚。」

不思議そうに俺を見上げる安城。


ずっと抱えてた思いが通じたら、余計に愛おしくなった。


………いや、待て。


安城は、俺の好きな相手、誰だと思ってたんだ!?


「しっかしさー、苑塚が私を好きでいてくれてたなんで、びっくりだよ。
私、てっきりナツミちゃんが好きなんだと思ってた。」



ナツミかー!!


「いや、それは無い。」


「なんでぇ? ナツミちゃんカワイイのに。」


首を傾げる安城。


……お前、やっぱり天然だな。色んな意味で。


「いーの! 俺には安城が居るだろ! なんかして欲しい事ある?」


そう言うと、安城の顔がみるみる赤くなって。


「――じゃあ、付き合ったから、花穂って、呼んで……。」


なんて、恥ずかしそうにはにかんで頬を染めながら言う。



――こいつは、どんだけ俺のツボ、押さえてんだよ……。


俺、我慢できんのかな……?










お わ り ★