ケータイ小説 野いちご

スノー*フェイク

◆7日前
→まじめなえりーとせんせい



やっと教会に着いたあたしたちは、聖歌を合唱する練習を何度か繰り返した。




『(…アヴェ・マリアだよね)』




歌の授業は、嫌いじゃない。



皇鈴学園の授業は色々と凄いから、なにをしても慣れなくて疲れるんだよね…。



例えば……バイオリンにピアノ、茶道に生け花、バレエ。


どれも厳しい指導ではないけど、周りの友達はそつなくこなしてしまう。


……あたしはもちろん、今年初めてやったものばかりで。




『(疑われてる、かなぁ。お嬢様っぽくないって…)』




チャイムが鳴ったところで楽譜をぱたりと閉じ、荷物を片付け始めた。


はぁ…今からまた、長い道程を歩いて教室に戻るのか…。




『(ああもうやだ、外めっちゃ寒いし!)』




こうも広いといい加減、校内に電車かバスを走らせて欲しい…!


そんな幻想に期待を抱きながら、あたしはまた華苗と繭と一緒に教会を出た。


華苗はどこか、いつもの3割増くらい上機嫌だ。




「アヴェ・マリアは素敵な歌ですわね♪」




上品な笑いを口元に称えながら、華苗が柔らかく言った。




『……本当に素敵、ね』






見惚れてしまいそうなくらい自然な動きに、あたしはひっそりと感嘆の吐息を零した。




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