『(…最っ悪だ…!)』




…きっとこの推測で、間違いない。


蕪城先生もシフト表を見たってことは、つまり。




『(あたしが昨日行かなかった理由どうしようっ…!)』




……いや、これからもう行けないんだけど。


って、そういう問題じゃなくて!


胡桃坂さんに脅迫まがいなことされてます、なんて言えるわけがない…!




『(あっという間に放課後だよ…。絶対、蕪城先生にだけは会わないようにしよう)』




数学教官室にはそもそも普通の生徒さえめったに立ち寄らないから、ひとまずOK。


問題は一番出くわしそうな職員室だけど、今日は10分くらい前から職員会議をやってるって情報を掴んだ。


…よし、このまま寄り道せず直帰して……





ぐいっ!!





『っ!ひっ……むぐっ!』




腕を強く引かれたと思ったら、悲鳴を上げる前に掌で口を塞がれた。


そのまま両腕を背中側で固められ、全く身動きができなくなった。


だ、誰っ!?


抵抗するも呆気なく、人気のない空き教室に身体を押し込まれた。



真っ先に脳裏に浮かんだのは、胡桃坂さんの人を見下した笑顔。






―――だった、けど。