*幸人・side*





おぼつかない足取り

それでも前進するのは確かで




「……優」


寒さに首をすくめて目を閉じると
あの嫌味めいた目線が思い出された





……奴の車に乗ったのかな

手の早い奴だけど
優の性格なら何も無い





……筈だろう…


でもいつもの優じゃないから



優の中での自分を
自負している訳じゃない





別れた寂しさで


……なんてないよな