あれから何日か過ぎた。

結局、彩も私も部活には入らず
毎日ぶらぶらしていた。

彩のリクエストで
時々、剣道部の練習をコッソリ覗いたけれど、龍ちゃんは相変わらずの人気で黄色い声援を受けていた。

「はぁ……」

珍しく彩が溜め息を吐(つ)いた。

「なんで、あんな人気者を好きになったかな」

分かるよ。
彩の気持ち。
私なんて8年だよ。
そして
それは決して届かない想い。


「でも負けない!」

それが彩のいいところ。
私は遠くから見ているしか出来ないもん。