ネコ住職の弟子に、一人の子猫がいる。
「ネコ小僧」と呼ばれているこの子猫は、
とんちが回ることで有名で、寺や近隣に
何か問題が起こるたびに、
「ネコ小僧、とんちを貸して」とひっ
ぱりねこなのだった。

そのうわさはネコ首相の耳にも届いたの
で、ネコ小僧は首相官邸に呼ばれること
になった。ネコ首相はネコ小僧を試す
つもりで、こう言った。

「ネコ小僧よ、君はとんちが回るそう
 だな。
 では、この屏風に描かれたネコを、
 とんちで見事捕らえてみせよ!」

するとネコ小僧はこう切り返した。

「分かりました、では首相、屏風のネコ
 をあなたが追い出して下さい。そう
 すれば私が捕まえましょう」


ネコ首相は困ってしまった。そこでネコ
首相はウームとうなり、

「ハッハッハッ、これは一本取られた
 わい」

と降参した。これ以来ネコ小僧はたび
たび首相官邸に呼ばれることになり、
ネコ首相の良き相談相手になったので
あった。


(注:このネコ首相は、ネコ専務の
   4代前のネコ首相です)
             おしまい