それから(イッチーが人間界にいると言いやがった日から)は、毎日が悔しいほど楽しかった。

イッチーがいるという安心感というか……って、うわ、僕のキャラがおかしい。

僕はもっと頭がおかしかったはずなのに。

……なんだろう、自分で言っておいて、すごく悲しくなってきた。


「ニノミン、今日は転校生が来るそうよ」

ちなみに、イッチーは最近、僕の所属している教室に居着くようになった。

間違っても、僕の教室とは言わないよ。

だって、僕の教室じゃないからね。

「しかも、噂ではかなりの美少女らしいわよ」

「ふーん」

「あら、興味なし?」

「ボクニハ、イッチーダケダカラサ」

「そのわりには棒読みなのね。……まあ、気持ちは受け取っておくわ」

キーンコーンカー(以下略)。

チャイムが鳴ったのに、隣のクラスのイッチーは動かない。

「イッチー、帰らなくていいの?」