「はい、息吸ってー、吐いてー…」 ひんやり冷たい聴診器を胸にあてられる。 「…はい、大丈夫」 聴診器を外すと服着てと言われ、シャツのボタンを閉める。 「どう?苦しいとかある?」 カルテに何か書きながら、言葉だけ俺にかけられる。 俺は病院特有の臭いが漂う診察室にいた。 「別に…最近は落ち着いてるかな」 「そう。ちゃんと定期検診は来るようにね」 「はーい」 ボタンを全部閉め、先生に話し掛ける。