夏休みが終わり、新学期がスタートし暑さがまだ残る9月。 外では蝉が騒々しく鳴いている。 そんな季節に合う笑顔が教室にあった。 「立石太陽(アキヒロ)です、よろしく」 教壇に立ち、ニコッと笑って自己紹介する男の子。 クラスの視線はその男子に注がれている。 もちろん私だって見ている。 驚きを隠せない表情をしながら…。 チラっと視線があった。 「おっ!咲希やん」 そう言って私を指差し、笑った。