智咲が頭を下げていると、
芹沢鴨という男は智咲に近づいてきた。

「見ぬ顔だな。
お主、新入りか?」

「は、はい。」

みんなが頭を下げているので、
智咲は芹沢鴨という人に少し怖がる。

「はっはっは。
そう怯えんでもよい。
そうか、新入りか。
今日は宴だ!
新入りのための!」

「え、えぇぇぇえ?!」

智咲は驚いた。

「何か文句でもあるのか?」

「い、いえいえ!!
私1人のためにそんな・・・」

「あっはっは。
そう謙虚せんでもいい。
儂は今、機嫌がいいのでな。」

芹沢が高らかに笑う。

「あ、ありがとうございます!」

智咲は上げていた頭をまた下げる。

「あははは。
宴の準備をしておいてくれ。」

そういいながら芹沢は去って行った。

「智咲さん、芹沢さんに気に入られましたね。」

沖田がふと、つぶやく。


「え?なんでですか?」

「あは。そうですね。機嫌が良かっただけなのかも
しれません。」
沖田が笑う。


「でも宴ってどんなことをするんですか?
私、そういうのやったことありませんよ。」

智咲は沖田に聞く。


「えぇー・・・っと
酒を飲んだ原田さんの腹踊り・・・
ですかね?」


智咲は頭に疑問符を浮かべた。