深幸のやっている占い師という職業には、定休等というものはない。

気紛れに通りで商売をし、気紛れに店仕舞いする。

当然その日、仕事をするかどうかも彼女の気分次第だった。

貯えは十分にある。

無理してアクセク働かなくても、食べていけるだけの貯金はあるのだ。

そもそも小野寺の家系そのものが医者の一族だ。

金ならば、はいて捨てるほどある。

深幸の実家も当然、生まれながらの金持ち。

結婚もせずに自由奔放な一人暮らしをしていても、理子の後見人をしていても、まだ余りあるほどの貯蓄があった。