夜道に二人きり

彼は、私の手を握ったまま
辺りを見渡した。
 
この先は、電灯も疎らで
薄暗い道が続く。

「真っ暗で、物騒だから
 送って行くよ」

私は、彼の言葉に戸惑い

繋いだ手を
強く解いてしまう。
 
そんな私に、彼は
衝撃的な言葉を告げた。

「心配しなくていいよ
 俺、女には
 全く興味が無いから
 
 ほらっ、どっち方面?」
  
彼の言葉に衝撃を受けた私の
顔色は変わる…
 
そんな私を見つめる彼の視線
 
私は、咄嗟に帰る方向を
指差した。