『6 女心』

さて。
女心、とタイトルに銘打った通り、今回は女性の動向にスポットを当ててお送りしようと思います。

あ、私ですか?…そうですねぇ。天の声とでもしておきましょうか。
早速行ってみましょう。

まずはハルナツアキの三人。いよいよ本屋の前まで来ました。

「エプロン取りに行ってくる」

二人を本屋とコンビニの間の路地に待機させ、ハルが裏口から店に入ります。
そしてまずは、とエプロンを取る前にレジの方へ進み。
「あ、ハルさん。お疲れっす」
そう言ってこっちを見たレジのバイトに軽く会釈。

そして少しだけ身を屈めて、
「ねぇ、もうプレジデント、取りに来た?」
「あぁ、その人なら今そこでヤンジャン読んでますよ」
そう言って雑誌コーナーを指差しました。

げ、居るの?

カウンター越しにそちらを見るとこっちに向かってくる冬野。
「ごめん、私がいる事オフレコで頼むわ」

そう言いながら、腰を屈めたままの体勢で素早くバックヤードに帰って行くハル。
器用です。

そして、レジに向かう冬野を見ていたもう一人の女性、雪村さん。

二人になりたいがために嘘をついて冬野と本屋に来た彼女。
レジに向かう冬野を見た途端に、彼の傍に寄って行きます。
いい加減時間潰すのも飽きてたんでしょうね。えぇ。
「せんぱぁい、欲しい雑誌置いてなかったです」
なるべく可愛く発音して可愛いドヤ顔で冬野の方を見ますが、冬野の視線は支払いのためにお財布に。

チッ。
小さく舌打ちする雪村さん。

「ん?」と振り返る冬野。
途端に最高に可愛い作り笑いをしてさ、行きましょう、と冬野を促します。