「伊織!?どーしたのその顔!?」




アタシ、浜野伊織(18)は


「ふ……」

「ふ?」

「…フラれたぁ〜〜(泣)(泣)」

「は!?」


ついさっきフラれました。


「ちょ、いつの間に好きな人なんかできてたのさっ…つか、こんな可愛い伊織をフッたとか…まじ誰だし!!」


友達の葵がアタシの肩をつかんで聞いた。

あんまり激しく揺さぶるもんだから、アタシの頭がガクガク動いた。

アアア………

首、首もげるって葵。


「…晴輝…クン…」

「え!?晴輝君ってあの晴輝君!?」

ぐえっ!

葵の手の力がまた強くなった。

「……そ…お」


必死でアタシが答えると、葵は目が点になっていた。

やっと揺さぶりから解放された。
目眩軽くヤバイし……



葵は驚きを隠しきれていない様子だ。
…それもそのはず。


アタシが告った相手、草津晴輝クンは、学校で一番人気のアイドルなのだ。

『黒髪のプリンス』とかってあだ名までつけられてるくらい、爽やかでかっこいいんだよねぇ〜