山田は大きな体を縮こまらせて、駅の売店内に身を隠している。

既にどのくらい、こうして身を隠しているだろうか。

…駅の構内は、ゾンビ達が蔓延している。

早朝のラッシュ時の最中、駅になだれ込んできたゾンビ達。

彼らは次々に通勤通学の人々を襲い、無数の人間をゾンビ化させた。

結果として駅には、市街地よりも遥かに多くのゾンビが集まっている。

その事を知らずに山田は駅へと探索に来てしまった。

不運と言えばあまりにも不運。

たった一人でこの数のゾンビを相手するのは、とてもではないが不可能だった。