また一体、ゾンビが秀一の足元に倒れる。

これで何体目だろうか。

もう数えきれないくらいのゾンビを叩き伏せた。

…ゾンビを仕留める事に罪悪感はなくなっていた。

襲い来る屍を手にした警棒で打ち据え、這い蹲ったゾンビの頭を踏みつけてとどめを刺す。

一連の動作は実に迅速且つ正確。

手馴れていると言ってもいい。

周囲をゾンビに囲まれようとも、彼は動揺する事なく次の行動に移る。

恐怖心がない訳ではない。

生ける屍に包囲されているのだ。

恐怖を感じない訳がない。

ただ彼は他の仲間達と違って、ゾンビが蠢く領域での行動に対して、圧倒的な経験値を持っていた。