福岡市内某所にそびえ立つ超広大な敷地を擁する『国立九大病院』のエントランスに彼は居た。

相変わらずの盛況ぶり…

いや…本来病院が儲かってるって現実は、あまりよろしくないのだが

そんな混雑する通院患者達の間をぬう様に掃除機を引きずる一人の女性の姿が目についた。

その女性は清掃会社から派遣された作業員らしく薄い緑の作業服を着ているのだが…

長めの金髪でハデ目のメイク、帽子を前後逆に、しかも斜めに被り、ネームプレートも斜め…極めつけがサイズの会わないぶかぶかの服を着て裾をロールアップしている。

そのあまりにだらしない格好に、彼は思わずその女性に声をかけた。