「もう少ししたら蓮たちが帰ってくるよ。」



嘉は私に笑いかけながら言った。


蓮?


ああ、たぶんあの銀色の総長さんだ。



私があの男を待たなければいけないの?

それは正当な理由にはならないわ。




私が帰ろうと思ったのが伝わったのか、李玖が慌てた様子で言った。



「侑希っ!ダメ!蓮がいない間に侑希が来てたっことがバレたら蓮が鬼になる!」


は?鬼?



なに言ってんだか。



しょせん人なのに。




それでも帰ろうとする私に、追い打ちをかけるように楓が言った。



「侑希…まだ、いてくれねぇ?」




うっ……


かっ…楓が可愛い………。




私って、楓に弱いのかしら?



上目遣いで私に言ってきた楓に、




「わかったわ……。」



と言ってしまった。