『男』させられた……?!

「ドクターキリトが発明した薬でね。僕たちはキリトの研究所も調べたんだ。だけどその薬に関する情報だけは見つけることができなかった」

「キリトは、今どこにいるの?会って聞き出せば……」

「それができれば僕も苦労はしないよ。君の父上もキリトも薬のことがバレて捕まったんだ。裁判で二人は十五年の禁固刑になり、君たち家族は人間界に行くことを命じられた。そして彼らは城の地下で魔力も使うことのできない牢屋に閉じ込められたんだ。もちろん厳重に警戒されているから近づくことはできない」



とてつもなくすごい事実を知ってそれだけで頭が真っ白になっていた。



「でもがっかりすることはないよ。ちょうど今年で十五年の刑が終わる。具体的には今日、二十日がその期限なんだ」

そうか、だから紅皇は──

「……」

「これで僕の来た理由が分かったでしょ。どうする?妖魔界に行くのか、行かないのか、決めるのは君自身だ」

いつもと変わらない学校までの道程。

ただ違うのは、

傍らに紅皇がいるということだけ。



「私、行くよ!妖魔界に」