藍飛side―――――*―――――



「……やっ………やだよぉーー…」


今、俺は愛してやまない彼女の矢耶にキスをしようとして、拒まれた。


『なんでだよ……』

少し不満げに、かつ不機嫌に言ってみる。

ちょっと目を潤ませながら矢耶は


「だってー…ここ、教室だよ?」


と不安げに言ってきた。

俺の隣の席にいる矢耶。

もちろん席替えをしようが何をしようが、俺の隣は矢耶で窓側の一番後ろの席と決まっている。

暗黙の了解ってやつか?

それは置いといて、、、


「別に教室だからって関係ねぇだろ」


言いながら、また矢耶の腕を引っ張った。

なのに、矢耶ときたら


「やだぁー!!またしようとしたでしょ!藍のこと嫌いになるよっ」


おもいっきり腕を振って俺と距離をとった。


『はっ?!嫌いって――――………何言ってんだよ』


俺はすぐに手を離し矢耶を見た。

嫌いとか、そんなの無理に決まってんだろ。

俺、明日から生きていけねぇし。


「じゃぁここでは止めてっ」


矢耶はぷいっと顔を窓の方へ向けた。

頬を少し膨らまして拗ねている。

そんなとこも可愛いとか思う俺は変態オヤジかもしんないな。


『分かったからこっち向けって。ここではしないから、怒んなよ』


優しく宥める様に言うと




「……………もー………………仕方ないなぁー……怒ってないよ?藍だーいすきっ」


にかっと笑って俺に抱き着いてきた。