矢耶の腕を掴んだまま幹部室のドアを開けた。

ソファーに座っていた人物がこっちを見た。


「あれっ?藍飛、一人?
………ん?矢耶ちゃん?」

隣に座っていた人物もこっちを向いた。

「なんだー?南、矢耶ちゃんがどーしたって?」

「「えっ?!矢耶ちゃん?!」」


矢耶を見た二人は驚きのあまり目がてんになっている。

矢耶を隠すかの様に前に立った。


『今からここ使うから、お前らちょっと出てって。』

「えっ?分かったけど……
矢耶ちゃんどーしたんだよ。」

今、返事をしたのは幹部の一人で結崎南-ユウザキ ミナミ-


『なんもねーよ。いーから、早く出ろ。』

「よくねーよ!ぜんぜんよくねーし!泣いてんじゃん!矢耶ちゃん大丈夫か?!藍飛に何かされたのか?おい!藍飛、何したんだよ!」


俺に突っ掛かってきたのが服部尚弥-ハットリ ナオヤ-こいつも幹部の一人。二人とも俺らと同い年。


『うっさい。早く出ろって。』

「なんだそれ!答えになってねぇだろ!」

「まぁまぁ、二人とも落ち着きなよ。尚弥、今は藍飛に任せとこう。だから俺らはとりあえず部屋を出よう。」

「はぁ?!南も何言ってんだよ!おい!引っ張るなって!矢耶ちゃーーん!」


南は分かったのか、尚弥を引っ張って出て行った。