──一方、マリンはリリアが部屋を出て行ってから継母の胸でワンワン泣いた。 そしてしばらく── 「落ち着きましたか?」 「グズ…はい。大分」 真っ赤に目を腫らし、未だ少し鼻をすするマリンに新しい鼻紙を差出し、リリーは微笑んだ。 マリンは鼻紙を受け取り、鼻をかむとちらりと横目で継母を見、また目をそらす。 ばつが悪そうにしているマリンと対照的にリリーは明るく、いやむしろうれしそうに微笑んでいた。