「最近やけに早くない?」


「別に…」


あの日から梓は完全に実家に戻り、通いでカフェを開いている。


剛志は学校に行ったり行かなかったりしながら、放課後は毎日のようにカフェに顔を出していた。


「ふーん…」


梓はカウンターの中を片付けながら相槌を打った。


「そういえば、乃里子ちゃんはどうしてるの?
新聞部だから走り回ってるのかしら♪」


梓の言葉に、剛志は無言で答えた。


「剛志がサボってたら、乃里子ちゃん一人で大変じゃないの?」


梓がクスリと笑った。


「…誰のせいだと思ってんだよ…」


剛志はため息混じりに呟いた。


「剛志…
もしかしてクビになったの?
パートナー解消?」


梓は剛志の表情を伺ながら、囁くように言った。